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介護福祉士を取っても給料が上がらない理由

「介護福祉士取れば給料上がるって聞いたけど、本当?」

このページを開いたあなたは、きっとそんな疑問を抱えているんじゃないだろうか。ネットで調べれば「国家資格だから安定」「需要が高い」「将来性がある」っていう綺麗な言葉ばかり。でも、現場で働いている人からは「取っても大して給料変わらない」「夜勤ばっかりでキツイ」っていう声も聞こえてくる。

私は介護の現場で10年働いて、介護福祉士の資格も持っている。周りには無資格で働いている人も、介護福祉士を取った人も、ケアマネまで取った人もいる。だからこそ、はっきり言える。

介護福祉士は「魔法の資格」じゃない。取っただけで人生が劇的に変わるわけじゃない。でも、使い方次第では確実に武器にはなる。

今回は、綺麗事抜きで介護福祉士のリアルを書く。未経験で30代から目指そうとしている人、今ヘルパーとして働いていて資格を取るか迷っている人、給料が上がらなくて悩んでいる人。そういう人たちに、現場の本音を伝えたい。

「取ったほうがいいのか、取らなくてもいいのか」。その判断材料を、正直に提供する。

体験談と業界のリアル|介護福祉士を取った私の10年

正直に言う。私が介護福祉士を取ったのは、最初は「給料上がるかな」っていう期待があったからだ。

当時、特養で働いていて、無資格の初任者研修レベル。月収は手取りで18万円くらい。夜勤も月4回やって、それでこの金額。周りの先輩たちを見ていると、介護福祉士を持っている人は「主任」とか「リーダー」とか役職がついている。「ああ、資格取ればステップアップできるんだな」って思った。

で、3年の実務経験を積んで、実務者研修を受けて、国家試験を受けた。無事合格。

結果、給料はどうなったか。

月1万円上がった。手当がついた形だ。年収にして12万円のプラス。「お、上がったじゃん」って思うかもしれないけど、冷静に考えてほしい。3年働いて、研修に10万円くらい払って、試験勉強して、取った資格の価値が月1万円。

しかも、周りの無資格の後輩たちも、勤続年数が上がれば同じくらいの基本給になっていく。つまり、資格手当分の差しかない。

ただ、メリットもあった。

まず、転職がしやすくなった。求人を見ると「介護福祉士優遇」とか「介護福祉士必須」っていう条件の施設が結構ある。特に、訪問介護のサービス提供責任者や、施設の生活相談員になるには介護福祉士が必要なところが多い。選択肢が増えたのは事実だ。

あと、現場での信頼感も変わった。利用者の家族から「資格持ってる人に担当してほしい」って言われることもあるし、職員間でも「介護福祉士なんだから」っていう期待がかかる。良くも悪くも、責任が増えた。

でも、実際の現場で求められるのは、資格より「人柄」と「体力」と「コミュニケーション能力」だ。

認知症の利用者さんが暴れた時、教科書通りの対応じゃ通用しない。排泄介助や入浴介助で腰を痛める。夜勤明けで疲れ果てても、笑顔で接しないといけない。資格があっても、このあたりができないと現場では通用しない。

周りを見ていても、介護福祉士を取って「給料が大幅アップした」っていう人はほとんどいない。むしろ、資格を取った後に「こんなもんか」ってガッカリして辞めていった同僚もいる。

よくある勘違い|介護福祉士への過剰な期待

ここで、介護福祉士についてよくある勘違いを潰していく。

勘違い1:介護福祉士を取れば即給料アップ

これ、一番多い勘違いだ。

確かに、資格手当はつく。でも、相場は月5,000円〜20,000円。施設によって全然違う。しかも、基本給が上がるわけじゃないから、ボーナスへの影響も限定的。

「介護福祉士取ったら年収400万円いく」みたいな話を信じてる人がいるけど、それは役職についたり、夜勤を月8回とかやったり、処遇改善加算がちゃんと配分される施設に勤めた場合の話。資格だけで到達する数字じゃない。

勘違い2:国家資格だから安泰

国家資格ではあるけど、業務独占資格じゃない。つまり、介護福祉士じゃなくてもできる仕事がほとんど。無資格でも初任者研修があれば介護の仕事はできる。

だから、「資格があるから食いっぱぐれない」は半分正解で半分間違い。仕事はあるけど、給料が良いとは限らない。

勘違い3:資格を取れば楽になる

むしろ逆。責任が増える。

リーダー業務を任されたり、新人教育を押し付けられたり、家族対応をやらされたり。仕事量は増えるのに、給料は微増。「割に合わない」って感じる人は多い。

勘違い4:スクールの広告通りのキャリアパス

「介護福祉士→ケアマネ→施設長」みたいな綺麗なキャリアパスが描かれているけど、現実はそんなに簡単じゃない。

ケアマネになるには、介護福祉士として5年以上の実務経験が必要。しかも、ケアマネ試験の合格率は20%前後。取れたとしても、ケアマネの給料が介護福祉士より高いとは限らない。施設によっては夜勤手当がなくなる分、年収が下がることもある。

施設長になるには、さらに経験と運とコネが必要。誰でもなれるわけじゃない。

この資格が稼げる人・稼げない人

じゃあ、介護福祉士を取って「稼げる人」と「稼げない人」の違いは何か。

稼げる人の特徴

体力がある人

介護は体が資本。入浴介助、移乗介助、排泄介助、すべて体力勝負。夜勤もこなせる体力がないと、シフトに入れず稼げない。40代、50代になっても現場で動ける人は強い。

コミュニケーション能力が高い人

利用者や家族とうまく関係を築ける人は、信頼されてリーダーや相談員に抜擢されやすい。給料アップのチャンスが増える。

夜勤を厭わない人

夜勤手当は大きい。1回5,000円〜8,000円。月に8回やれば4〜6万円のプラス。これを続けられる人は年収が上がる。

転職を恐れない人

同じ施設にずっといても、給料は頭打ち。条件の良い施設に転職できる人、訪問介護で稼働を増やせる人は収入が伸びる。

マネジメント志向がある人

現場だけじゃなく、リーダーや主任、生活相談員など、マネジメント側に回れる人は給料が上がりやすい。介護福祉士はその足がかりになる。

稼げない人の特徴

資格を取っただけで満足する人

資格を取ったら自動的に給料が上がると思っている人は、現実にガッカリする。資格はスタートラインであって、ゴールじゃない。

体力に自信がない人

夜勤ができない、重介護が無理、腰痛持ち。こういう人は、シフトが限定されて稼げない。日勤のみだと、手取り16〜18万円くらいが現実。

人間関係が苦手な人

認知症の利用者とのコミュニケーション、家族対応、職員間の連携。すべて人間関係が絡む。ここが苦手だと、ストレスで続かない。

向上心がない人

「介護福祉士取ったからもういいや」で止まる人は、給料も止まる。ケアマネや認定介護福祉士など、次のステップを目指さないと収入は伸びない。

地方で働く人(残酷だけど事実)

都市部と地方では、給料に月3〜5万円の差がある。地方の小規模施設だと、介護福祉士でも手取り15万円台とかザラ。

現実的な収入ライン|介護福祉士の給料を時系列で見る

ぶっちゃけ、介護福祉士の給料はどれくらいなのか。

1年目(資格取得直後)

月給:19〜23万円(額面) 手取り:16〜19万円 年収:250〜300万円

無資格・初任者研修の頃と比べて、月1〜2万円アップ程度。資格手当がつく分、少し上がるイメージ。夜勤をやれば、もう少し上乗せされる。

3年目(リーダークラス)

月給:22〜26万円(額面) 手取り:18〜21万円 年収:300〜350万円

施設によっては、主任やリーダーを任されて役職手当がつく。ただし、仕事量も増える。夜勤を月6〜8回やると、年収350万円前後が見えてくる。

ベテラン(10年以上、役職あり)

月給:25〜30万円(額面) 手取り:20〜24万円 年収:350〜420万円

生活相談員や施設のリーダー、主任クラスになると、この水準。ただし、施設長や管理職にならない限り、年収400万円を超えるのは難しい。

地方と都市部の差

東京・大阪・名古屋などの都市部:上記の金額かそれ以上 地方都市:上記より月2〜4万円低い 過疎地域:さらに低く、年収250〜300万円台がボリュームゾーン

同じ介護福祉士でも、働く地域で年収が50〜100万円変わる。これが現実だ。

副業・独立の可能性

訪問介護で独立する人もいるけど、正直ハードル高い。開業資金、人員基準、指定申請など、めちゃくちゃ面倒。

副業なら、訪問介護の登録ヘルパーとして土日だけ働く、みたいなやり方はある。時給1,500円〜2,000円くらいで、週末だけで月4〜6万円稼げる。

あとは、介護系のブログやYouTubeで発信する人もいるけど、これで稼げるのはごく一部。

未経験から介護福祉士を取るなら|現実的なルート

「未経験だけど、介護福祉士取りたい」って人へ。

受験資格と実務要件

介護福祉士の国家試験を受けるには、以下のどちらかが必要。

  1. 実務経験3年以上+実務者研修の修了
  2. 養成施設(専門学校など)を卒業

未経験から目指すなら、実務ルートが現実的。まず介護施設で働いて、3年の実務経験を積む。その間に実務者研修を受けて(費用は8〜15万円くらい)、国家試験に挑む。

勉強期間の目安

実務者研修:約6ヶ月(通信+スクーリング) 国家試験の勉強:3〜6ヶ月

働きながらでも取れる。私も働きながら取った。ただし、夜勤やりながらの勉強はキツイ。休みの日は寝たいのに、テキスト開かないといけない。モチベーション維持が一番の敵。

働きながら取れるか

取れる。むしろ、働きながらじゃないと実務経験が積めないから、働くしかない。

ただし、ブラックな施設だと勉強時間が確保できない。残業が多い、休みが少ない、そういう職場だと資格取得どころじゃなくなる。

だから、最初の職場選びが重要。「資格取得支援制度」がある施設、研修に理解がある施設を選ぶべき。

年齢の壁はあるか

30代、40代、50代から始める人もたくさんいる。年齢の壁はそこまでない。

ただし、体力的にキツくなるのは事実。50代で介護未経験から始めて、腰を痛めて辞める人も見てきた。体力に自信がないなら、訪問介護とか、デイサービスとか、比較的軽介護の職場を選んだほうがいい。

それでも取るなら|介護福祉士を武器にする戦略

「それでも介護福祉士を取りたい」って人へ。後悔しないための戦略を伝える。

取る順番を間違えるな

初任者研修→実務者研修→介護福祉士→(ケアマネ)

この順番は絶対。飛ばせない。焦って一気に取ろうとすると、実務経験が足りなくて受験資格がなかったりする。計画的に進めろ。

組み合わせると強い資格

介護福祉士+認知症ケア専門士:認知症ケアに強い施設で評価される 介護福祉士+社会福祉主事:生活相談員になりやすい 介護福祉士+ケアマネ:キャリアの幅が広がる

単体よりも、組み合わせで価値を出す。

就職・転職での使い方

介護福祉士を持っていることを前面に出す。履歴書に大きく書く。面接でも「介護福祉士として、どう貢献できるか」をアピールする。

特に、サービス提供責任者や生活相談員の求人は、介護福祉士必須が多い。ここを狙うと、給料も少し高い。

あと、転職サイトに登録する時も「介護福祉士」で検索するとヒットする求人が増える。選択肢が広がる。

給料交渉にも使える。「介護福祉士持ってるので、資格手当はいくらですか?」って最初に確認する。施設によって手当額が全然違うから、ここをケチると後悔する。

長期戦で考えろ

介護福祉士を取ったからって、すぐに人生が変わるわけじゃない。でも、5年、10年と続けていくと、じわじわ効いてくる。

転職の選択肢が増える。役職につきやすくなる。ケアマネへの道が開ける。地味だけど、確実に積み上がる。

「一発逆転」を期待するな。「長期的な武器」として使え。

まとめ|介護福祉士は魔法の資格じゃない、でも武器にはなる

ここまで読んでくれてありがとう。

正直に言う。介護福祉士は「これ取れば人生バラ色」っていう資格じゃない。取っただけで給料が爆上がりするわけでもないし、楽になるわけでもない。

でも、武器にはなる。

転職がしやすくなる。役職につくチャンスが増える。キャリアの選択肢が広がる。長期的に見れば、持っていて損はない。

ただし、条件がある。

体力がある。人とのコミュニケーションが苦にならない。夜勤もやれる。向上心がある。転職も恐れない。

こういう人なら、介護福祉士を取る価値はある。

逆に、「資格取ったら楽に稼げる」って思ってるなら、やめたほうがいい。ガッカリするだけだ。

介護の仕事は、綺麗事じゃ語れない。排泄介助、入浴介助、認知症の対応、夜勤、腰痛、人間関係。キツイことばかり。

でも、利用者さんから「ありがとう」って言われる瞬間。自分が支えたおかげで、その人の生活が成り立っている実感。これは、他の仕事じゃ味わえない。

給料は正直、安い。でも、やりがいはある。

介護福祉士を取るかどうか。それは、あなたがこの仕事を続ける覚悟があるかどうかで決めてほしい。

「お金だけ」で選ぶなら、他の仕事のほうがいい。「人の役に立ちたい」「長く続けられる仕事がしたい」「安定した資格が欲しい」。そういう気持ちがあるなら、介護福祉士は選択肢に入る。

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