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マンション管理士は食えない?現実と「それでも取る価値」を正直に語る

「マンション管理士、取れば食えるって聞いたけど、本当?」って調べてたら、ここに辿り着いたんじゃないだろうか。

正直に言う。マンション管理士「だけ」で食っていくのは、かなり厳しい。資格スクールのサイトには「需要増!」「安定収入!」って書いてあるかもしれないが、現実はそんなに甘くない。

私の知り合いにもマンション管理士を取った人が何人かいる。40代で未経験から取得した人、不動産業界で働きながら取った人、独立を夢見て取った人。結論から言うと、この資格「だけ」で独立開業して年収500万以上稼いでる人は、ほぼいない。

でも、「じゃあ取る意味ないのか?」っていうと、そうでもない。使い方次第では、確実に武器にはなる。ただし、幻想を抱いたまま取ると確実に後悔する。

この記事では、マンション管理士の現実を、良い面も悪い面も含めて正直に書く。取るべきか、取らざるべきか。自分で判断するための材料にしてほしい。

マンション管理士を取った人たちの「その後」を見てきた

まず、私の周りでマンション管理士を実際に取得した人たちの話をする。

ケース1:42歳・元営業職、未経験で取得

彼は会社員として働きながら、将来の独立を見据えてマンション管理士を取得した。勉強期間は約1年。仕事が終わってからの時間と週末を全部勉強に充てて、一発合格。

で、その後どうなったか。

結論から言うと、独立はしていない。というか、できなかった。資格を取ったものの、実務経験ゼロで顧客を取れるわけがない。マンション管理組合から「じゃあお願いします」なんて依頼は、一件も来なかった。

今は、不動産管理会社にパートタイムで勤務しながら、マンション管理士としての実務経験を積んでいる。年収は400万円程度。「資格取る前と、ほぼ変わってない」と本人は苦笑いしていた。

ケース2:35歳・不動産会社勤務、キャリアアップのために取得

この人は元々、不動産管理会社で働いていて、社内でのキャリアアップのためにマンション管理士を取得した。

結果、多少の手当がついて、月給が2万円ほど上がった。「多少は評価されたかな」程度。劇的に年収が上がったわけではない。

ただし、社内での発言権は確実に増えた。管理組合との折衝でも、「マンション管理士です」と名乗ると、相手の態度が変わることはあるらしい。つまり、「箔がつく」という意味では役立っている。

ケース3:50代・元建築士、セカンドキャリアとして独立を目指して取得

この人は建築士として長年働いてきた実績があり、人脈もあった。マンション管理士を取得後、独立してコンサルタントとして活動を始めた。

彼は現在、年収600万円ほど。ただし、これはマンション管理士「だけ」の収入ではない。建築士としての仕事、管理業務主任者の資格も活用した複合的な収入だ。

彼曰く、「マンション管理士だけで食っていこうなんて、最初から考えてなかった。いくつかの資格と経験を組み合わせて、ようやく独立できるレベル」とのこと。

現場で求められるのは「資格」じゃなくて「実務能力」

マンション管理士の試験に合格することと、実際にマンション管理組合の相談に乗れることは、全く別のスキルだ。

試験では、区分所有法や建築基準法、会計の知識が問われる。確かにこれらは重要だが、現場ではもっと泥臭いスキルが求められる。

例えば、管理組合の理事会に出席したとき。住民同士の意見が対立していて、議論が紛糾している。そんなとき、あなたは法律の条文を暗唱するだけで解決できると思うか?

現実には、コミュニケーション能力、調整力、プレゼン力が必要になる。法律の知識はあくまで「ベース」であって、それだけでは仕事にならない。

ある管理士の人が言っていた。「試験勉強してるときは、法律覚えれば何とかなると思ってた。でも現場に出たら、人間関係の調整が9割。法律知識は1割」と。

マンション管理士についてのよくある勘違い

ここで、マンション管理士についての「勘違い」を正直に指摘しておく。

勘違い1:資格を取れば即、高収入

これは完全に幻想だ。マンション管理士の資格を取っただけで、年収が500万、600万になるなんてことはない。

実際、マンション管理士として登録している人は全国に2万人以上いるが、そのうち「専業」でやっている人はごく一部。ほとんどの人は、不動産会社や管理会社で働きながら、資格を保有しているだけだ。

独立開業してる人も、マンション管理士の仕事「だけ」で食べている人は少数派。他の資格や業務と組み合わせて、ようやく生計を立てているのが現実。

勘違い2:需要が増えているから仕事がたくさんある

確かに、マンションの老朽化問題や管理組合の高齢化で、「需要」自体は増えている。これは事実だ。

でも、「需要がある」ことと「あなたに仕事が来る」ことは別問題。

管理組合が外部のマンション管理士に依頼するケースは、まだまだ少ない。多くの管理組合は、管理会社に丸投げしているのが現状だ。わざわざ別途、マンション管理士に報酬を払ってまで依頼しようという組合は限られている。

つまり、需要はあっても「有料で依頼したい」という顕在化したニーズは少ない。ここが厳しいところ。

勘違い3:管理業務主任者より上位資格だから稼げる

マンション管理士は確かに難関資格で、合格率は8〜9%程度。一方、管理業務主任者の合格率は20%前後。難易度で言えば、マンション管理士の方が上だ。

でも、「稼げるかどうか」で言えば、管理業務主任者の方が有利なケースも多い。

なぜなら、管理業務主任者は「業務独占資格」で、管理会社には必ず一定数の有資格者を置かなければならない。つまり、就職・転職において確実に需要がある。

一方、マンション管理士は「名称独占資格」であって、この資格がないとできない業務はない。つまり、資格がなくても同じ仕事はできてしまう。

資格の難易度と市場価値は、必ずしも比例しない。これは肝に銘じておいた方がいい。

マンション管理士で「稼げる人」と「稼げない人」の違い

じゃあ、どんな人ならマンション管理士で稼げるのか。逆に、どんな人は厳しいのか。正直に書く。

稼げる可能性がある人

まず、不動産業界での実務経験が豊富な人。特に、管理会社やデベロッパーで働いていた人は強い。人脈があるし、業界の慣習も分かっている。

次に、コミュニケーション能力が高い人。管理組合の理事や住民と円滑に話せる人。専門用語を使わず、分かりやすく説明できる人。

そして、複数の資格を持っている人。宅建士、管理業務主任者、建築士、ファイナンシャルプランナーなど、他の資格と組み合わせることで、提供できる価値が増える。

さらに、営業力がある人。独立するなら、自分で顧客を開拓しなければならない。「資格を取れば仕事が来る」なんて甘い世界じゃない。自分で営業して、信頼を勝ち取る必要がある。

最後に、年齢的に40代以上で、ある程度の貯蓄や生活基盤がある人。独立初期は収入が不安定だから、余裕資金がないと厳しい。

稼げない可能性が高い人

逆に、以下のような人は厳しい。

まず、未経験で業界の知識ゼロの人。資格だけ取っても、実務が何も分からない状態では、仕事にならない。

次に、人と話すのが苦手な人。デスクワークだけで完結する仕事ではない。管理組合の会議に出席したり、住民の相談に乗ったりする必要がある。

そして、「資格を取れば楽に稼げる」と思っている人。この資格で楽に稼げるなんて幻想だ。地道な営業活動と、信頼の積み重ねが必要。

また、体力に自信がない人。マンションの現地調査や、夜の理事会への出席など、意外と体を動かす場面が多い。

最後に、20代の若い人。悪いことではないが、管理組合の理事は50代〜70代が中心。若すぎると、「この人に任せて大丈夫か?」と信頼されにくい面がある。

現実的な収入ライン:夢は見ない方がいい

じゃあ実際、マンション管理士でどれくらい稼げるのか。現実的な数字を出す。

1年目:ほぼゼロ〜150万円

独立した場合、1年目はほとんど収入がないと思った方がいい。顧客開拓に時間がかかるし、信頼を得るまでに時間がかかる。

管理会社に勤務する場合は、資格手当がついて月1〜3万円程度のプラス。年収ベースで300万〜400万円程度。

3年目:200万〜400万円

独立して3年もすれば、少しずつ顧客がつき始める。ただし、年収400万円に届けば良い方。

管理会社勤務なら、経験を積んで年収400万〜500万円程度。

ベテラン(10年以上):400万〜600万円

独立してベテランになっても、年収600万円を超えるのは一握り。マンション管理士「だけ」で年収800万、1000万なんて、ほぼ幻想だ。

他の資格や業務と組み合わせて、複合的に稼いでいる人が、年収600万〜800万に到達する。

地方と都市部の差

東京や大阪などの大都市部は、マンションの数が多いので、案件自体は多い。ただし、競合も多い。

地方は案件が少ないが、競合も少ない。ただし、そもそもマンション管理士に依頼しようという文化が薄い地域もある。

副業・独立の可能性

副業としてやるなら、月3万〜10万円程度の副収入が現実的。完全独立は、相当な覚悟と準備が必要。

未経験から取るなら、知っておくべき現実

受験資格と実務要件

マンション管理士の試験には、受験資格の制限はない。誰でも受けられる。これは良い点だ。

ただし、試験に合格しただけでは実務はできない。実務経験を積むには、管理会社などで働く必要がある。

勉強期間の目安

合格までの勉強時間は、一般的に300〜500時間と言われている。働きながら取るなら、1年〜1年半は覚悟した方がいい。

試験は年に1回、11月にある。落ちたら1年待たなければならない。これが地味にキツい。

働きながら取れるか

働きながらでも取れる。というか、ほとんどの人が働きながら取得している。

ただし、勉強時間の確保は必須。平日は仕事終わりに2〜3時間、週末は5〜6時間は勉強に充てる覚悟が必要。

「それでも取るなら」後悔しない戦略

ここまで読んで、それでもマンション管理士を取りたいと思うなら、以下の戦略を提案する。

戦略1:管理業務主任者とセットで取る

マンション管理士だけ取るより、管理業務主任者も一緒に取った方がいい。

管理業務主任者は業務独占資格なので、就職・転職に直結する。この2つをセットで持っていると、管理会社での評価が上がる。

試験範囲も重なる部分が多いので、同時に勉強すれば効率的だ。

戦略2:宅建士も視野に入れる

不動産業界で働くなら、宅建士も取っておいた方がいい。宅建士もマンション管理士も、不動産関連の知識が重なるので、勉強の相乗効果がある。

宅建士、管理業務主任者、マンション管理士の「トリプルライセンス」を持っていると、不動産業界での市場価値が上がる。

戦略3:実務経験を最優先にする

資格を取ったら、とにかく実務経験を積むことを最優先にする。

独立するにしても、まずは管理会社で数年働いて、現場の流れを覚えた方がいい。資格だけ持っていても、実務が分からなければ仕事にならない。

戦略4:ニッチな分野で専門性を高める

例えば、「大規模修繕に強いマンション管理士」「タワーマンション専門」「民泊対応に詳しい」など、ニッチな分野で専門性を高めると差別化できる。

「何でもできます」より、「この分野なら任せてください」の方が、顧客に選ばれやすい。

戦略5:独立は慎重に

いきなり独立するのではなく、まずは副業から始めるのが賢明。本業で安定収入を確保しつつ、少しずつ顧客を開拓していく。

副業で月10万〜20万稼げるようになってから、独立を検討しても遅くない。

まとめ:マンション管理士は「魔法の資格」じゃない。でも武器にはなる。

正直に言う。マンション管理士は、取っただけで人生が変わるような「魔法の資格」ではない。

資格を取れば即、高収入になるわけでもないし、独立して楽に稼げるわけでもない。むしろ、地道な努力と営業活動、実務経験の積み重ねが必要な、しんどい道だ。

でも、だからといって「取る意味がない」わけでもない。

不動産業界でキャリアを積みたい人、管理会社で評価を上げたい人、将来的に独立を視野に入れている人にとっては、確実に「武器」になる。

ただし、以下の条件を満たす人に限る。

  • 実務経験を積む覚悟がある
  • 地道な努力を続けられる
  • 人とコミュニケーションを取るのが苦ではない
  • 他の資格と組み合わせる戦略を持っている
  • 「資格を取れば楽になる」という幻想を持っていない

もしあなたがこれらに当てはまるなら、マンション管理士は取る価値がある。でも、当てはまらないなら、無理に取る必要はない。他にも選択肢はたくさんある。

大事なのは、「資格を取ること」が目的ではなく、「自分のキャリアをどう築くか」が目的だということ。マンション管理士は、その手段の一つに過ぎない。

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